横浜に美味しい鮨屋があったぁ!「はま田」は凄い!
今日は祭日。横浜の日本大通駅から歩いてすぐの「鮨 はま田」に行って参りました。
江戸前鮨の真髄をこの「横浜の地」で味わえるとは思ってもみませんでした。
つまみのない「握り鮨」だけ味わいにこのお店に来ました。だからお茶でいただく。
お店のカウンター(つけ台)は見事にシンプル。何もない・・・店内に飾りつけもない。
もともと鮨はカウンターに葉蘭(バラン}などの葉を置き、その上に直に置かれていたのが、衛生面や洗う効率の良さから、鮨板、鮨下駄などの上に置かれているのは普通の鮨屋さん。
でも、ここ「はま田」のカウンターには何もない。檜板のカウンターに直に鮨をのせて出してくれる。
「鮨の仕事は引き算」「余計なことはしない」「パフォーマンスもない」「美味しい鮨を味わって欲しいだけ」「鮨職人の仕事は地道なもの」こんな言葉を訥々(とつとつ)に話してくれるのが店主の浜田 剛さん。
赤酢の酢めしがどうのこうの?
この魚はどこ産でとれたかどうか? などなどの愚問は野暮なもの・・・
この鮨を味わったらもう全く関係ない!
今日のこの日のこの食べる時間に合わせてベストの仕事をしている酢飯、鮨だね、山葵、海苔、煮切りやつめ醤油・・・このバランスによって最大限に鮨の美味しさを引き出している。
江戸前鮨の”本来の仕事”である煮切りの醤油、穴子の煮汁のツメ、酢〆、昆布〆などの伝統的な技法を今なお地道に引き継いでいる正統派の鮨職人のお店。
ただ、ひたすらに浜田”親方”の『鮨を握る速さ』に江戸前鮨の真髄を見たように思う。
(ちなみに鮨屋の店主のことを昔は”旦那”と呼び、いつしか今では”大将”とも呼んでいるが本来は「親方」と呼んでいたのだが…)
この人肌の温度の酢飯(すめし)を扇に貼ってある地紙の形のように美しくエレガントに握ってくれる。
シャリ玉を右手の中指と薬指の第一関節辺りにシャリを掴み、左手で鮨だねの小波(こば)部分を裏返しにして、左手の第2関節と付け根につけて本わさびを付け、シャリ玉を乗せ、親指で空気穴をあけた途端に右手に返して握る本手返しで瞬時に出来上がる鮨はまさに【電光石火の早業】!
これだけ素早く握って出してくれる鮨職人さんを今まで見たことがない!
そのくらいの速さ!
もう本当に見事というほかはないくらいの早業!
昔、京橋の「与志乃」の吉野末吉氏や浅草の「弁天山美家古寿司」の4代目の内田榮一氏などの写真を古本屋で見つけて、その握る姿を研究し美しすぎる握り方と絶賛する店主の浜田剛さん。
この研究熱心さなど、毎日毎日、鮨のことしか考えてないストイックな姿勢はとても好感が持てる鮨屋さん。
今はやりのSNS映えするパフォーマンス全盛の鮨屋さんの鮨は正直「疲れる」。
ミシュランの調査員の方々もこの種の評価をしっかりと見極めていただいたいと願う。
近い将来はすぐにでも予約が取れないお店の一つになるでしょう。
今ならまだ予約が取りやすいので今のうちに出かけて味わいたいお店です。
横浜で出会えた素晴らしい「鮨 はま田」の浜田 剛さんに感謝!